コスパは正義!【ALPHA】カシミヤハイネックニット

ALPHA(アルファ)

 11月といえば『November is Going Away』。Joshua Perahiaがお亡くなりになったそうです。毎年この時期にラジオ等でHR/HMファンに冬の訪れを告げてくれる名曲も、今年はいつもと違った印象を持って聞くことになりそうです。ご冥福をお祈りします。

 さて、すっかり放置状態でJOSHUAばりの哀愁漂う当ブログでしたが、久々に新商品が入荷しましたのでそのご紹介をということで再開。商品ページの内容と重複する部分もありますが、よろしければ最後までお付き合いくださいませ。

カシミヤの魅力

カシミヤニットのパイオニア「ALPHA」

 ALPHAは1897年(明治30年)創業、大阪の老舗カシミヤニットメーカー。有名百貨店に多く取扱いがあり、売り場で見て「カシミヤなのにこの値段なの?」と首を傾げた方もいたかもしれません。個人的な感覚になりますが、都内の百貨店で取扱いがある大人の男性向け国内ニットブランドというALPHAと新潟の「GIM」あたりかな、という印象です。

 ALPHAの商品には社名と同名のハイクラスブランド「ALPHA」(主にMADE IN JAPAN)と、MADE IN CHINAを含むセカンドレーベル「Shakehand」の2種類が存在します。ハイクラスとはいえ、10万円近くすることもあるカシミヤ100%のニットを4~6万円程度で販売していますから、非常に良心的なのは間違いありません。当店では廉価バージョンの「Shakehand Cashmere」を販売中。価格・シルエット・フィッティングが非常にハイレベルで揃った「安いだけ」では断じてない商品です。(インポート等の)ブランドに拘らないなら見逃がしては勿体ないニットウェアが多数ラインナップされています(私も見逃していました…)。

そもそもカシミヤって?

 カシミヤは山羊(ヤギ)、ウールは羊(ヒツジ)。ついでにアルパカはラクダ(科の動物)、アンゴラは兎(ウサギ)。『繊維の宝石』と言われるカシミヤですが、アルファの製品に用いられるのはカシミヤの中でも最高級品と位置づけられる希少で良質な内蒙古(モンゴル)産の原毛。全ての製品は都内にも事業所が存在する、繊維製品の公的検査機関「ケケン試験認証センター」にて検査済み。輸入製品の不当表示の問題が話題になったりしますが、素材レベルからの徹底した品質管理による安心・安全なクオリティーこそ老舗カシミヤニットメーカーの強みです。

じゃあカシミヤは何がいいの?

 カシミヤは繊維自体が細く均一で美しい光沢があり、製品は柔らかさ・軽さ・保温性に富みます。また、独特のヌメリ感、優しく低刺激な肌当たり・手触りが特徴で、手に取った時に「ん?」となるのがカシミヤ。あまり実感される方はいないかもしれませんが、吸湿性と汗を発散する作用にも優れています。一般的な認識は高級品ですが、セーター・マフラー・手袋等、秋冬商品の素材として非常に優れた適性を持つ天然繊維だともいえます。

 雑な表現をすると「ウールより暖かくて高見えする」のがカシミヤの良さであると思っていいかもしれません。

逆にデメリットはあるの?

 どうしても避けられないのは「毛羽立ち・毛玉の出来やすさ」「保管時の虫食い」です。普段のお手入れには特に気を使わなければいけないのもカシミヤ製品の宿命。とても美しくて素晴らしいカシミヤニットを前にして「いい値段するけど、ケアが大変なんだよな」と敬遠されがちなのもカシミヤあるあるですね。

 カシミヤの良さを広く伝えたいと考えるALPHAにはそんな購入意欲のハードルを一気に下げるカシミヤニットがあるんです。

ALPHA・カシミヤハイネックニット

カシミヤ100%のニットで(一般的な)ウールより手に取りやすい価格。実現不可能に思われそうなテーマですが、あります。

 ALPHAのカシミヤハイネックニット。最近はモックネックとも呼ばれることも多いですね。ガッツリ首元をカバーするタートルネックより「軽さ」があり、クルーネックよりもキチンとした感じが出てくれるハイネック。リバイバルというよりすっかり市民権を得た存在になったように思います。暖冬傾向でこのぐらいが丁度良いと思われる向きもあるようです。その上、年齢が出やすい首部分を隠してくたり、上着の襟汚れを防止してくれるなど、ニットに限らずカットソーにも商品が展開されるほどの人気ぶりです。

シンプルでベーシック。だから良いんです

 ネイビー(画像左)とホワイト(同右)の定番色だから、というのもありますが、ニットとしての作りはいたってオーソドックスで万人向け。流行りのややゆとりを持たせた造りではなく、体のラインは拾い過ぎずにシャープなシルエットを実現するフィット感とサイジング。スッキリした着こなしをしたい人には安心のスタイルです。奇をてらわない普遍的なデザインだからこそカシミヤ100%の良さが存分に味わえ、見た目や着心地からも一般的なウールニットとの違いをより感じやすくなっています。
 良い素材はシンプルに仕上げた方が良さが引き立つ、まるで料理の世界のような方法論です。

当然といえば当然。日本人向きのサイズ設計

 一般的な「Mサイズ」のニットでここまでコンパクトなサイズ設計になっているものもなかなかないように思います。サイズ展開がMからしかなく、SやXS相当サイズを厚めに仕入れたい当店もどうしようか悩みましたが、実際に届いた商品を試してみると意外や意外。普段Sや44サイズ、時にはXSや42サイズを選ぶこともある私で、この商品のMサイズがジャストフィット。特に袖丈と着丈は理想的な程で、一枚で着てもインナーにしても全く間違いなさそう。スリムフィットでコンパクトなサイズ設計のクルチアーニで言うと44サイズと同じような感覚でしょうか。「着丈や袖丈が長すぎて合うニットがない」とお嘆きの方に一度はお試しいただきたいサイズ感です。

ちょっとレアキャラ感もあるカシミヤ&モックネック

 ジャケットやウールパンツでのスタイルはより上品に、デニム・チノを使ったややラフな装いでもカジュアルになり過ぎるのを防止してくれる、カシミヤ&ハイネックスタイルがもたらす効果を見逃す手はありません。メーカーが提唱する「初めてのカシミヤ」「普段使いのカシミヤ」以上の価値をきっと実感していただけるのではないかと思います。
 ホワイトは真っ白よりほのかにクリーミーな、秋冬コーデ・季節感に馴染ませやすいパール系のお色味。ネイビーも非常に使いやすい色ながら“繊維の宝石”の名に相応しい光沢感を纏った「定番を超える定番」カラーです。

 非常に優れたいくつもの利点があるにも関わらず、実は意外と数が少ないカシミヤのモックネック。あのユニクロでもモックネックのカシミヤニットはラインナップにないようでした(2024年11月時点)。きらびやかで洗練されたイメージのあるインポートブランドのアイテムを好まれる方も多いかと思いますが、毎年10~15%の値上げが敢行されるのも今や慣例行事。私もここ数年は値札を見て溜息ばかりです…。

コスパは正義!物価高騰に抗う日本メーカーの意地

税込価格18,700円

 ALPHAは百貨店との取引実績から見ても「安さ」を売りにするブランドではありません。ですので(カシミヤの)入口商品としてのスタンスを反映した“お買い得”価格だと言えそうです。こんなご時世で「安いものを買え」と言っているわけではありませんが、今まであまり気にしていなかった価格帯のものにも目を向けてみるいいチャンスだと捉えるのもいいかもしれませんね。

【ALPHA】カシミヤハイネックニット

型番:338105
生地:カシミヤ100%
カラー:ネイビー・ホワイト
サイズ:M、L、LL
価格:18,700円(税込)
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 ウォーミーな着心地と艶やかな光沢のカシミヤニットをトレンド感も備えたモックネックで楽しめる一枚。暖かさ・高級感・価格の三拍子揃った“コスパお化け”っぷりに加え、より日本人が美しく着こなせるサイズ設計という点でも選んで損はないはず。今回はLLサイズまでご用意があります。
 なお、こちらの商品は当店の楽天市場のショップでは販売していませんので、気になられた方は自社サイトかYahoo!ショッピング店をチェックしてくださいませ。

 今回は以上になります。久々すぎて全く文章が浮かんできませんでした…。
 次回はオーガニックコットンのタートルネックをご紹介します。


 来年2月のアルバム発売に先駆けて早くもライブ活動を開始した新生DT。直前に亡くなったマイク・ポートノイの家族に捧げた「The Spirit Carries On」を演奏中、そのマイクの横でこみ上げてくるものを抑えきれないジョン・ペトルーシの姿をとらえたヨーロッパツアーの様子も配信されています。色々な意味で涙なしには語れない結成40周年記念ツアーになりそうですね。決して無駄ではなかったとはいえ、その40年の歴史の3分の1を外から眺める羽目になったマイクにとっては、ある意味コスパの悪い脱退劇だったのかもしれません。

X(旧Twitter:@teatrosogno)

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