WBCではそこまで盛り上がらなかった私も、マスターズではテレビにかぶりつきの4日間でした。大分ドレスコードが緩んできた女子のトーナメントと違い、伝統と格式を重んじるマスターズトーナメントは「ポロシャツタックイン」が基本ルール。それが紳士のスポーツであるゴルフにおける世界基準の「正装」だということになります。ポロシャツといえば誰もが持っているベーシックなアイテムですが、それ自体がきちんとした装いを演出する要素を多分に含んでいます。白以外NGのテニスのウインブルドン選手権でもほとんどの選手が白いポロシャツを着てプレイしていますよね。あまりピンとこないかもしれませんが、実はスポーティ要素とドレス要素が一つのアイテムの中で上手く調和できているのが、これからご紹介するような『ポロシャツ』という商品なんです。
Cruciani(クルチアーニ)の半袖鹿の子ポロ。ダークネイビーだけ入荷が少し遅れていたのもあり、ようやくご紹介できる運びになりました。
前回ご紹介したニットポロとは似ているようで結構違う、どなたでも取り入れやすい鹿の子のポロです。Crucianiならではのコンパクトで美しいシルエットは、今まで色々なポロシャツを試したものの、しっくりくるものがなかったという方に是非お試しいただきたい商品です。
それでは詳細をチェックして参りましょう。
ちょっと分かりづらくて申し訳ないのですが、最大のポイントはやっぱりこの生地。やや粗めのざっくりした鹿の子生地で、そこそこの厚みがあるものの、通気性はしっかり確保されています。一つ一つの網目が大きいので着用時における地肌との接点数が少なく、肌離れも良いのが特徴です。盛夏での着用に適した上質なコットン素材をさらに活かす様々な工夫を盛り込むところがCrucianiらしいと言えますよね。
ちなみに、私もよく利用する某有名ショッピングサイトでは「鬼鹿の子」と紹介されていました。粗くおろした大根おろしを「鬼おろし」というのにちなんでいるのかもしれませんが、ピッタリなネーミングで唸ってしまいました。
前立てや襟部分もこの生地のしっかり感が活きているポイント。前立てと襟はポロシャツの顔とも言えます。フニャっとなると途端にだらしなく見えてしまう鹿の子ポロのウィークポイントをカバーし、シルエットの美しさときちんと感をしっかりキープしてくれます。台襟付きのワイドカラーは、ドレス要素を引き立てる「大人ポロ」にはなくてはならないディテール。一枚でもジャケットを羽織っても様になるドレスシャツさながらの仕立てで、カジュアルからビジネスまで幅広く対応します。
サイドスリットが入り、そこから背面部分は2㎝ほど裾が長くとられています。前かがみになった時の背中チラ見え、タックインしている場合の裾の飛び出しを抑えてくれます。スリット入りのポロはそこそこあるものの、裾の前後差までつけているのものは結構少ないのでは。あると非常に助かるディテールです。
光の反射で見え方が微妙に変化するシェルボタンは、高級感を漂わせるさりげなく贅沢なアクセント。真珠のような輝きをチラっと見せることで、垢抜けない印象もありがちなポロシャツスタイルを上品にグレードアップしてくれます。これは大袈裟ではなく本当です。考え方は高級ドレスシャツと同じということです。腕時計や車等もそうですが、細部にまでこだわりが備わった商品は、所有後の満足感が長く続くように思います。まったく価格帯の違うものを引き合いに出してしまいましたが、こちらは何とか今年も3万円アンダーをキープしていただきました。勿論スペアボタンも同じものが付属します。
ということで「お値段以上」であることを感じていただけたら幸いです。
同じようなポロシャツを何枚か購入したとして、最終的に「頻繁に着る」「長く着続ける」のは、こういう「ほぼすべてを兼ね備えたシンプルで上質なもの」だけになる、と自分のワードローブを眺めながら思う次第です。
画像ではサイズ46を着用しています。サイズ感に関しては前回のニットポロもそうだったのですが、普段46サイズは大きすぎて着られないことが多い私でも、着丈やゆとりも含め46がベスト。ちなみに、右の画像で上に羽織っているジャケットは42サイズですので、何となくCrucianiのサイズ感がご想像いただけるかと思います。では44サイズだとピタピタになるかと言えばそうでもなく、よりタイトで着丈が短めのものをお探しでしたらピッタリだと思います。極端なサイズ設定にしないところがCrucianiの優秀なところ。44でしたら身長があまり高くない女性の方でも綺麗にお召しいただけると思います。引き続き「女性購入者限定クオカードWプレゼント」もやっております。
ベーシックなアイテムの超定番カラーですので、コーディネートの仕方は無限大。着用される方のどんなスタイルにもすんなりはまります。極端な言い方をしてしまいますが、色違いでこの2色のポロがあれば夏場は他に必要ないといえるくらい汎用性が高い商品です。ネイビーやベージュのパンツを合わせたビジネスカジュアル・クールビズスタイルでも、よりスポーティでラフなパンツと合わせたアクティブなシーンでも清潔感・きちんと感を損ないません。
ちょっと贅沢な使い方ですが、それこそ冒頭でお話したようにゴルフウェアとして着用されても良いかなと思います。本格派の競技志向な方や、スポーツメーカーの機能性ウェアにこだわる方でなければ、こういったクラシカルで上品なアイテムこそゴルフというスポーツの精神性にマッチするようにも思います。意外とゴルフ場の関係者ってプレーヤーのウェアをチェックしているらしいですし、ひょっとしたらボビージョーンズもナイスショットを後押ししてくれる…かもしれません。
いかがでしたでしょうか。実は今回白のポロシャツを使った「透け」に関するちょったした検証も併せてご紹介する予定だったのですが、ボリュームオーバーなので『番外編』として次回掲載することにいたします。
最後にまたゴルフの話題になってしまいますが、今年のマスターズチャンピオン・ジョンラーム選手のニックネームは“ランボー”なんだそうです。どちらかというと、サングラスをかけてプレーしていたミケルソンの方がスタローンに似ている、と思ったのは私だけだったでしょうか。
もしお店が繁盛したらまたゴルフでも始めたいな、とそんな儚い夢を見る今日この頃です。
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