白ポロシャツ・S(透けない)ー1グランプリ決勝

Cruciani(クルチアーニ)

大仰なタイトルになっていますが、前回収まりきらなかったCruciani鹿の子ポロの紹介記事の『番外編』です。予告したとおり白ポロシャツでちょっとした検証をしてみた結果についてご紹介いたします。タイトル通り今回のテーマは「透け」です。

まずは出場する3者をご紹介。

左(一番下)が①、中央が②、右(一番上)が③Cruciani鹿の子ポロ

①ファストファッション(プチプラ)ブランド製(※私物)
②イタリアンシャツメーカー製(※私物)
③Cruciani(クルチアーニ)製

出場者の名誉に係ることもあるため、①②に関しては所属事務所名を伏せさせていただきます。また①②とも昨年夏デビュー組の私物になりますので、新品とは色味や生地の風合いが変化していることをご了承ください。

出場者のプロフィールを簡単にご紹介しますと、①ポロは誰もが知っているプチプライス商品で、値段に反するかなりのポテンシャルを持った人気商品。②ポロは老舗シャツブランドのドレス系アイテムで、ポロシャツとしては値段もそこそこしますが、イタリアファッションがお好きな方ならご存じの方も多い商品。③ポロは前回の記事でご紹介したクルチアーニの鹿の子ポロ。勿論③が今回の主役です。

それではコンテストを開始します。

まずは3者並びでアップで撮った画像から。

一番左が①、中央が②、右が③のCruciani鹿の子ポロ

①(プチプラ製)はコットンに化学繊維が混紡された、サラッとした肌触りの機能性に優れた商品です。②(シャツメーカー製)はコットン100%の非常に軽くてしなやかな生地で、高級感があります。③のクルチアーニのポロはやはり編み目が①②と比較してやや大きめで、しっかりした感じがあります。こちらもコットン100%ですが、生地表面の滑らかでつるりとした感触が特徴です。
あまり参考にはならないかもしれませんが、各出場者の重量は①が195g(Sサイズ)、②が169g(XSサイズ)、③は200g(44サイズ)となっています。

それでは本題の「透け」の検証を個別に見ていきます。なお以下の写真は全てほぼ同一の条件で撮影し、画像の編集も同じ処理をしています。平置きした商品の内側に、当店のロゴと視力検査に使うランドルト環を白いコピー用紙に黒字で印刷したものを挟みました。

それでは①ポロから。

①プチプラ製ポロ

実は3者の中で最も白色度が高かったのはこちらの①ポロ。着心地の良さや機能性を売りにしている生地(化学繊維混紡)なのですが、個人的な予想に反して健闘しているように思いました。まずこちらを基準としていただき、これから見ていただく②③での文字の透け具合・色の変化・鮮明さの違いをご確認いただきたいと思います。

続いて②ポロです。

②シャツメーカー製ポロ

若干①より黒の色味が濃く出ているようにも見受けられますが、ほぼ互角ではないでしょうか。②はやや生成りっぽい色合いで、①より少し濃度がある白になります。そのせいかもしれませんが、印刷物の不鮮明度がやや増している気がします。

では最後に③、クルチアーニはどうでしょうか。

③クルチアーニ製鹿の子ポロ

「ぼやけ感」は一番強いのではないでしょうか。編みが粗めの生地なのが①②との大きな差です。例えが不適切かもしれませんが、画像加工の手段でもある「モザイク」も目が粗いほど元画像が認識しずらくなります。そういったことに由来する効果が出ているように思います。ペラペラしていない、しっかりした適度な厚みの生地であることも影響しているのではないでしょうか。色味もやや乳白色よりの白となっています。

ネタ見せは以上になりますが、結論に行く前に拙い検証方法であることと、撮影技術の未熟さをお詫びいたします。

さて、単刀直入に申し上げて『3者に決定的な・・・・差はない』と言って良いかな思います。乱暴な言い方になってしまいますが、残念ながら『どれを着てもある程度・・・・は透ける』という当たり前の結果に至るようです。また、着用者の肌色や体型により左右される点も否めません。
が、その中でも③クルチアーニの鹿の子ポロはSー1王者に最も近いパフォーマンスを見せてくれました。山田邦子さんもきっと票を入れてくれるでしょう。

結論として

  • 生地に適度な厚みがあり、薄手のものより透け方が鈍る
  • 生地色が乳白色がかっているため、白色度が高いものよりは透過度が落ちる
  • やや粗目のざっくりした編立の鹿の子生地なので、下地になるものがぼやけやすい

という理由から、Cruciani(クルチアーニ)の鹿の子ポロは『透けずらい商品である』と言えるのではないかと思います。

Cruciani半袖鹿の子ポロ・白(クリックで商品ページへ)

いかがでしたか?どれも素晴らしい商品で、三者三様の良さがありますので、それぞれの利点・用途を考えて選ぶ、使い分けられたら理想かなと思います。どれを買うべき、これが一番みたいなことを言うつもりもないのですが、Crucianiの製品は洋服に欲しい要素が最大限詰め込まれているため、結果的によく着る・長く着る、コストパフォーマンスの良さを実感できる商品が多いんです。「透け」だけで商品を選ばれる方もあまりいないかもしれませんが、女性の方でしたらCruciani鹿の子ポロくらいの生地感だと何かと安心かなと思います。

本家のMー1ではウエストランドがグランプリに輝き、多方面で王者に相応しい活躍を見せてくれています。昨年の決勝進出3組は誰が優勝してもおかしくないほど甲乙つけがたいパフォーマンスでしたが、単純に「最も分厚い個性」を持っていたのがこの商品…じゃなく井口氏だったのかなと思っています。

Twitter:@teatrosogno

コメント