地球に『徳』と『利』。【sisam(シサム工房)】オーガニックコットンリブタートル

sisam(シサム工房)

 「とっくりセーター」って言わなくなったなぁ、なんてことをつい考えてしまう私。大人の男性なら白か黒辺りは一枚はお持ちであろうタートルネックのセーター。『徳利 (とっくり)』って書くと何だかとっても有難いもののような気も…。
 当店初入荷のタートルネックニットは、オーガニックコットン100%&リラックスした着心地が特徴のユニセックスアイテム。優しさ溢れるストーリーと興味深い生産背景にもご注目いただきたい商品です。

“良き隣人”たるブランドの魅力

食料品だけじゃあないんです

 貿易相手となる国の人々や我々消費者にも“シサム(アイヌ語で良き隣人)”として寄り添うフェアトレードを事業の本筋としながらも、SDGsの達成に寄与する様々な活動に取り組むシサム工房。ロングライフ、ゼロウェイスト、エシカル消費、オーガニック等々、多岐にわたる活動内容で数々の認証や受賞歴を持つブランドです。
 手抜きするわけでもありませんが、シサム工房のホームページではそのあたりの事がより分かりやすく紹介されていますので、一度チェックしてみていただけるとこの商品の存在意義や背景等がより深く理解できて面白いと思います。コチラの記事ではエコな話は控えめにし、ファッション的な要素をメインにご紹介を進めて参ります。

エシカルメンズコレクション

 エシカル(倫理的)消費に繋げたいという想いも込もった「エシカルコレクション」。女性をメインターゲットとしつつも、ユニセックスモデルとして男性にもアピールできるベーシックなアイテムをラインナップしたのが「エシカルメンズコレクション」。性別・年齢問わず楽しめる、堅苦しさを排除した大人のリラックスした装いにマッチするニットやカットソーを展開。正直もっともっとラインナップが増えて欲しいと思いますし、次の春夏の新作にも大いに期待しています。

お買い物は地球への投票でもある

 「エコ」や「サステナブル」といったキーワードに基づく消費行動は今や特別なことではなくなってきています。“お買い物は投票でもある(what you buy is what you vote)”というのがシサム工房のスローガン。国政選挙の期間になると必ず流れる「投票しても何も変わらない」と答える街頭インタビューに私も一理はあると思いますが、変化が必要だと考えるのならほんのちょっと興味を持つことから始めてみるだけでも良いのかなぁとも思います。

 とは言え、ファッションアイテムとしても消費者を惹きつけるものがなければ投票(購入)には結びつかないというのも現実です。

オーガニックコットンリブタートル

 優れたベネフィットをもたらす商品だからこそ、その背景やストーリーも魅力的に感じるもの。

 シサム工房の24秋冬新作・オーガニックコットン100%のタートルネックには一票を投じる価値がどれほどあるのか、詳しくご紹介していきます。

トレンドも巧みに取り入れたサイズ感とカラー

 ややゆったりした造りで、程よくトレンド感も加味するリラックスフィット。肩が落ちたり、袖や裾がだぶつくような若者向けのようなオーバーサイズ設計ではなく、一枚で着てもインナーとしても使いやすく収まりも良くなっています。比較的カッチリして見えるタートルネックですが、上品にもカジュアルにも振れる「ちょいユル」なタイプとして、男性にも女性にも上手くはまってくれそうなサイズ感です。

 カラーは定番色ではないですが、どうやって着こなそうかと想像力やチャレンジ意欲を刺激する2色。
 グリーンメランジはここ数年で特に人気上昇中の注目カラー。アーシーでワイルドなイメージを上手く活用することで大人の渋カッコよさを演出。対してマスタードメランジは元気で暖かいイメージのシーズンカラー。ビビットなイエローやオレンジより肌馴染みも良く、着る人の印象まで明るくしてくれそうです。
 2色ともブラック・ネイビー・ホワイト等の定番色と合わせるなら苦労しないはず。特に差し色として使ってみたいな、と一度は思われた方も多いのでは。外では上着を羽織ることになる季節ですから、インナーニットの色で遊びを取り入れるのも秋冬の楽しみの一つ。アウターそのものやパンツで冒険するより安全かつ効果も高いと思います。

気候も後押し?温暖化にはコットンニットで

 12月を目前にして気温が20℃を超えたりする昨今。今まで春先や初秋に使うことが多かったコットンニットを年間通して活用し、ヒートテック等の高機能インナーやアウターで真冬の防寒対策をするといった方が増えてきているように感じます。

 暖かさや品の良さといった点ではウールには敵わないかもしれませんが、通気性・吸湿発散性・ケアの容易さ・価格の手頃さ等、誰もが感じる気候変動に柔軟に対応してくれるところはコットンニットに大きなアドバンテージがあります。これまで定着していた「着る期間が限られそうだから」「コットンニットは夏のもの」といった風潮も、不安定な社会情勢や地球温暖化によって覆りつつあるかもしれません。

インド・チェトナからの贈り物

 ちょっと脱線しますが、オーガニックコーヒーって飲まれたことありますか?コーヒー通ぶるわけでもないのですが、一般的な物より雑味やクセがなくすっきりしているように感じます。目覚ましに効きそうなガツンとしたカフェイン感より、コーヒー本来の風味ってこうなんだろうなと思わせる優しい味わいではないでしょうか。有機(オーガニック)農法といえば化学肥料や農薬を使わない栽培法。ある意味原始的で昔ながらの農業スタイルと言えなくもなく、味自体もより自然でちょっと懐かしいテイストが出るのでしょう。反面、コーヒーに刺激を求める方にはちょっと物足りないかもという印象もあります。

 この商品に使われるのはブランドがコットンの栽培から携わるオリジナル素材「Sisam Organic」。インド・チェトナで生産される希少なピュアオーガニック素材です。

 気になるのは、結局オーガニックコットンって普通のコットンと何が違ってどこが良いのか?というところです。

目には見えないベネフィットこそ持ち味

 ごく一般的なコットン素材とオーガニックコットン素材のお洋服。両者には

「そこまではっきりした違いはない」

 というのが一般論になっているようです。
 前回の記事でカシミヤニットのご紹介をしました。着ているだけで明らかに(ウールより)高見えし、確実に暖かいカシミヤ。そういうものとはちょっと違う良さを持っているのがシサム工房のオーガニックコットンニット。では「商品ストーリーを楽しむ」といったこと以外の、この商品の持つ優れたポイントを挙げていきます。

・残留農薬の心配がない肌への優しさ

 通常のコットンにも農薬成分が残っている可能性は低いですが、そもそも「使っていない」オーガニックコットンならその可能性はゼロ。赤ちゃんや敏感肌の人用の衣類としてもてはやされる程、お肌への安心感はコットン界ではナンバーワン。正規の認証を受けた正真正銘の有機栽培コットンだからこそのナチュラルな風合いと肌触りが楽しめます。

・環境汚染に配慮したazoフリー染料

 azo(アゾ)フリー染料とは、アゾ基(-N=N-)を含まない染料のことです。一般的なアゾ染料は化学変化により発がん性物質を発生する可能性があるアゾ基を含む化合物ですが、azoフリー染料はアゾ基を含まない染料のためその心配がありません(アゾ染料は人体に被害を及ぼすという意味でもありません)。オーガニック製品ならではの思いやりと、環境への配慮にも優れた染料のチョイスになっています。折角お金を出すのですからネガティブなワードを含んでいない方が着ていて気持ちも良いですよね。

・希少素材100%とは思えない価格設定

 大量生産のスタイルではなく、手間暇かけて丁寧に育てられるオーガニックコットンは、世界一と言われる全インドのコットン収穫量のうち1.4%とごく僅か。希少価値の高い高級品として、流通製品の多いタオルや肌着などでも通常のコットン製品より値も張ることが多いのはご承知のとおり。
 であるにも関わらず、税込12,100円とどこでコストを抑えているのか、採算は取れるのかと余計な心配をしてしまう価格設定。スローでサステナブルなファッションを楽しむのに相応しいエコなお値段も嬉しいところです。

 スーピマコットン、ギザコットン、シーアイランドコットン等々…生地になったときの高級感や上質感を楽しみたい・優先したいというのであればそういった種類(超長綿)を選ばれるのも良いかもしれません。ただ、オーガニックコットンが普通のコットンより優れた面を多く持っているのも間違いありません。
 地球に優しく、自分(肌)に優しく、お財布にも優しい。今時感もたっぷりのこの商品がもたらす『徳』と『利』には一票を投じる価値は大いにある、と有権者(お客様)の皆様へ主張いたします。

試着レポート・サイズ感

 では肝心の「着てみてどうなの?」へ。

 先ほど申し上げた通りフィッティングは『ややゆったり』で、アームもやや太め。着丈や袖丈はそこまで長くなく、リブ部分でしっかり押さえられます。肩のラインも極端に落ちませんので、大人の方がリラックスして着用するには丁度良い設計になっていると思います。女性の方がユルっと甘い感じに着こなすのにはとても良さそうですね。小柄で瘦せ型の私ならMサイズ一択。性別不問で幅広い方にマッチしそうな、ユニセックスモデルならではのフィッティングです。

 特筆すべきはやっぱり肌触り。ふんわりと空気をたっぷり含んでいそうな感触は、手に取っただけで暖かいイメージが浮かんできます。暖炉とか焚火が似合いそう。ほんのりくすんだ感じもあるメランジカラーのこなれた印象と、しっとり滑らかでスムースなタッチの生地質で、ニットウェアとしても非常に上質な仕上がりに感じます。ゲージ的にはハイゲージとミドルゲージの中間くらい。保温性と着心地のバランスが取れた使いやすいタイプです。
 ウールのものだと素肌と接触する部分のチクチク感が苦手の方もいらっしゃるかもしれません。特にタートルネックの要所・首回りは普段何かで覆う箇所ではないので敏感になりがちですが、そこは(オーガニック)コットンなので心配ご無用。それでも気になるという方は私もよくやるのですが、ネックのリブを2つ折りでなく3つ折りにする手もあります。タートル感を控えめにしつつ、首元のボリュームをややアップ。ウールのニットには適しませんが、コットンタートルならではのちょっとした裏技です。

女性の方をお手本に。マンネリ打破の特効薬

 商品ページでもコーディネートのご提案を簡単にさせていただきましたが、少し補足的なお話を。

 カットソーよりニット、クルーネックよりタートル(モック)ネック。大人の方をより上品に見せるアイテム選びのキーワードとしてきました。その意味では『タートルネックのニット』というのは最強の大人トップスと言ってよいと思います。とは言えコットン素材自体はややカジュアルな分類ですので、合わせるアイテムにコットンを混ぜ過ぎない方がコ-ディネートが大人っぽくまとまりやすくなります。

 問題は色合わせ的な部分。この手のカラーは確実に女性の方が扱いが上手ですね。ブランドの特性から言ってもレディースアイテムとの相性をよく考えた選色なのかなと思います。我々男性が使うならまぁこんな感じかと。

 左はインディゴのデニムにアウターのBarbour(バブアー)カラーに寄せたグリーンメランジの組み合わせ。ワックスドコットン+デニムでカジュアル度はやや高めですが、デニムスラックスで上品さをプラス。靴はポストマンシューズやレザーのプレーントゥ辺りになるでしょうか。地味目コーデの垢抜け役に柄物の靴下を選ぶと良いと思います。
 右はマスタードを差し色使いしたブラックコーデ。真っ黒で揃えても良いですが、ワンウォッシュのブラックデニムやチャコールグレーのパンツ・アウター等で上下のトーンを少しずらした方が洒落感アップ。くすみ感のあるメランジカラーはグレー系とも相性抜群です。
 

sisam(シサム工房)オーガニックコットンリブタートル
品番:24AOCN1701
生地:オーガニックコットン
カラー:グリーンメランジマスタードメランジ
サイズ:M、L
価格:12,100円(税込)

 着るとすーっと心が優しくなるような、尊さ満点のシサム工房のタートルネック。ご投票は24時間ネットにて受付中。12月31日まで10%オフのクリスマスクーポンもお配りしておりますので、皆様の清い一票をお待ちいたしております。

 今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

X(旧Twitter):@teatrosogno

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