[SO(エスオー)]ドライタッチな春夏用コットンリネンパンツ

SO(エスオー)

実際の色味や素材感、商品の着心地をインターネットの中の世界だけでお伝えするのは非常に難しいものです。商品写真の撮影に悪戦苦闘する最中、WBCでも観ようとふと椅子に腰掛けようとした瞬間「!」となりました。大事な商品を試着したまま座ってしまうところで、あやうく自打球直撃。気が付かない自分の不注意もさることながら、ジャージやスウェットでも、ビヨンビヨンのストレッチパンツを履いていたわけでもない。「これも“究極の中庸”ってことかなぁ」と出来の悪い撮影画像にうなだれながら一人で悦に入っておりました。

今回はそんな「SO(エスオー)コットンリネンパンツ」をご紹介します。
まずは特徴的な生地のアップから。

ライトグリーン

コットン80%リネン20%の混紡素材(ART.2689)を使用したこちらのパンツは、盛夏に向けて良さがじわじわと判ってくるであろう商品。なんといっても、手に取ればすぐに判るその薄さと軽さが特徴。生地の目付けは280g/m、商品自体の重量は345g(サイズ42)でした。裾をカットしたらおそらく300g程になると思われます。混紡により綿パン独特のハリコシ感は残しつつ、リネンが持つサラッとしたドライな肌触りと心地よいシャリ感を味わえる生地です。リネンというと「シワ」も味わいなのでしょうが、混紡率が抑えられているためそこまで気になる感じではありません。汎用性の高いコットンパンツにリネンの夏向き要素を加えた「春夏用の薄手コットンパンツ」と言えます。でもそこはSO。しっかりビスポーク的要素が盛り込まれていて、大人の夏に「あると助かる」、DH制度のようなボトムスです。

今回当店ではこの生地で2種類のパターンをオーダーしました。
ネイビーは「スリムフィット」になります。「スリムフィット」はSOで最も細身なフィッティングタイプで、キレイ目細身パンツがお好きな方に馴染みが良いモデルだと思います。
ライトグリーンの方は「クラシックフィット」。モデルは違いますが、先日ご紹介したブラックデニムスラックスと同じフィッティングタイプです。ところで、WBCをはじめゴルフやテニス等の大会名にも冠することが多い「クラシック」という単語。何となく「古い、昔の」といったニュアンスで捉えていたのですが、正確には「伝統や格式がある、一流の、長い歴史を持った」という意味を持つ言葉なんですね。勉強になりました。ちなみに、オーダーしていませんがもう一つ「ワイドフィット」というタイプもあります。

前述のとおり、画像では完璧に実際の色味をお伝えするのが本当に難しいのですが、最も近似する色名・色表記を記載しますので、参考にしていただければと思います。
ライトグリーンは一見「ミリタリーっぽい?」という印象を持たれる方もいるかもしれませんが、結構明るめで白みがかった色味です。「ウィローグリーン」「モスグレイ」といった色が近似色として挙げられます。「ウィロー」は柳、「モス」は苔(こけ)。日本でいう「柳色」よりややくすんだ黄緑色、くすみがある黄緑がかったグレーという、なんともオーガニックなイメージのカラーです。綿と麻でできた生地色が植物由来のネーミングを持つ色と似ているっていうのも何だかしっくりきますね。少し変化球っぽいカラーですが比較的淡い色合いなので、ライトベージュやオフホワイト系に近い扱いができると思います。
ネイビーは大人のど真ん中ストレートな、ノーコン…いえ「濃紺(のうこん)」です。

画像では44サイズを着用(165㎝・57㎏、ウエスト77㎝)。ウエストは42がジャストでしたがややパツパツ気味になりました。若干ウエストに余裕が出るものの、ヒップからわたりにかけてのフィット感は44サイズの方が適度。42はXS寄りのS、44がS寄りのMになる感じです。自分ならどちらかのウエストをお直しして着るかなと思います。同サイズのクラシックフィットのデニムスラックス(STー22)とも違いがあることを実感できました。
スリムフィットのSTー04(ネイビー)は、心地よいフィット感がありながらも、1プリーツによる適度なゆとりがスリムタイプ特有の腰回りの窮屈感を和らげてくれています。
クラシックフィットのSTー01(ライトグリーン)はやや楽なフィッティングですが、昨今のゆったりパンツとは一線を画す「誰が履いても様になる」系のスタイル。クラシックフィットモデルではこの1ダーツのSTー01が一番細身のタイプになると思います。
ラインナップの中で最もスリムながら、ディテールや独自の型紙設計で履き心地を追求したSTー04。適度なゆとりを持ちながらノープリーツのようなシャープなルックスを誇るSTー01。両者とも絶妙な仕上がりとなっています。

スリムフィットモデルの方はキレイ目美脚系パンツに近い印象を持ちましたが、程よくタイトなとても履きやすい細身のシルエット。クラシックフィットモデルの方は細身はちょっと苦手だけど、テーパードが美しくてスッキリしたパンツが好き、という方におススメです。
履き心地とフォルムに徹底的にこだわるSO。ブランドが誇る「究極の中庸」とは何なのか。試していただければきっとお分かりになるはずです。

モデルフィッティングカラーディテール生地
STー04スリムフィットネイビー1プリーツコットン80%リネン20%
STー01クラシックフィットライトグリーン1ダーツコットン80%リネン20%
STー22クラシックフィットブラック1プリーツ+1ダーツコットン100%デニム
当店で扱い中のモデル一覧

両パンツとも、ラフにTシャツ合わせからカッチリしたジャケットスタイルまでバッチリはまる、守備範囲の広いユーティリティープレーヤーです。夏場のシャツスタイルで意外と悩むのがボトムス選び。困ったときにはこんなパンツが好相性。ベルトをしてのタックイン、ブラウジング、タックアウトとどんなシャツスタイルもしっかり受け止めてくれます。ネイビーはクールビズ用パンツとしても真価を発揮。ライトグリーンはカジュアル向きですが、シャツをタックインしてベルトと靴を黒のレザーで締めたりすると爽やかでクリーンな装いを演出できます。

大谷選手を観ると、高校卒業と同時に渡米しなくて本当に良かったなとつくづく思います。日本野球をベースに持つ「メイドインジャパンな選手」として本場アメリカに羽ばたかせた栗山監督の功績も非常に大きかったと思えてなりません。SOが見せる「メイドインジャパン」クオリティーも、海外ブランド製品に一歩も引けをとらない“大谷級”であると言ってよいのでは、と勝手に思っております。SOのみならず、ファッション業界における「サムライジャパン」達にもっともっとエールを送っていきたいと思います。

Twitter:@teatrosogno

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